原告団の日々の活動

第22回薬害根絶フォーラムに参加して(薬害肝炎大阪原告団 武田せい子)

第22回薬害根絶フォーラムに参加して(薬害肝炎大阪原告団 武田せい子)

1 2020年11月1日、第22回薬害根絶フォーラム(主催薬被連)が広島県薬剤師会館にて開催されましたのでご報告します。

今年は新型コロナウイルスの影響で、21年続けられたフォーラム開催が危惧されました。しかし昨年名古屋でのフォーラム後、「次回は2012年開催の広島で2回目の開催を実現しよう」と話し合っていたので、広島大学副学長小澤先生に協力をお願いしました。その結果、フォーラム開催会場のお世話から、広島国際大学、安田女子大学、福山大学との協催の了解など大変お世話になり、無事、開催にこぎつけることができました。

2 会場は300人収容できましたが、3密を避けるため余裕をもって机を配置することにしました(参加人数は、84人+学生60人でした)。なお初の試みとしてライブ配信も行い、80名ほどの方がネットからも参加してくれました。

またいつもは受付が資料を個別に渡して、名簿記入をお願いしていました。今年は、袋入れした資料を直接机に置いて取ってもらい、受付では手指の消毒をお願いしました。さらに非接触で体温測定出来るカメラを導入して体温測定も行うなど、コロナ対策に万全を期しました。

私たち薬害肝炎原告団が受付全般を担当したため、例年になく忙しい一日となりました。

3 第1部は実態報告で10団体の方々が被害の状況を話しました。

今年はコロナウイルスの関係で映像発表者が3団体、代読が2団体と例年とは雰囲気が違いましたが、映像は図や色分けもあり、とても見やすく被害把握がよくわかりました。

薬害被害の話はいつ聞いてもつらいものばかりです。被害者、家族共に何年経っても身体の痛みや癒えない心の辛さを引きずっています。

個人的には今年はコロナウイルスの関係か、MMRワクチンの被害、HPVワクチンの被害が特に心に残りました。

4 第2部の「新型コロナのワクチン治療薬に対する安全性・有効性の検証は十分なのか」では新型コロナと社会のもろさがテーマになりました。

花井氏の次のようなコメントが印象的でした。

「HIVの時にも同じような事態になった事がある。自身に感染したらという思いが陽性者患者への不必要な追跡をする。マスコミも大きく取り上げるため本当は感染した患者は被害者のはずが、何故か加害者の扱いになることも。いつか来た道を又起こしている」

治療薬「アビガン」についても妊娠中の胎児に奇形や流産、死産が懸念される。又特例承認された「レムデシビル」も日本では承認申請からわずか3日で承認されています。

コロナワクチンもイギリス大手製薬企業アストラゼネカの治験も原因不明の症状が出て一時中止となりました。

又アメリカの大手製薬企業ジョンソン&ジョンソンも同じく治験中原因不明の症状で一時中断されています。

日本では国民に「努力義務」と称して新型コロナワクチンを接種し、企業が損害賠償を負わず国が肩代わりをすることになるようです。

しかし安全性、有効性の検証がきちんと出来ているのか、もっと私たち国民に情報を示してもらわないといくら国が損害賠償をしても、一度被害に遭った患者は元の身体に戻らず、未来も大きく修正した生活を余儀なくされかねません。

5 先日、今年のノーベル賞に「C型肝炎ウイルスの発見」が選ばれました。

C型肝炎ウイルスが発見されたのは1988年、画期的な新薬「ハーボニー」の承認が2014年です。26年の歳月が流れています。

それに対して、新型コロナワクチンや治療薬はこんなに早く使用されて良いのか心配でたまりません。誰もが安全で有効な薬を早く使用したいと思っていますが、誰もが治療薬で死にたくはありません。

今後は医薬品行政を監視する第三者組織「医薬品等行政評価・監視委員会」に期待したいと思います。医薬品の承認手続きや安全性について定期的に確認評価すること。大臣の諮問がなくても自ら議題を決めて審議できると聞いています。是非薬害再発防止のため、委員の方々の活躍に期待したいと思う1日でした。