



私たちは薬害肝炎全国原告団です。
2002年10月、血液製剤によってC型肝炎に感染した被害者16名が、国と製薬企業を被告とする集団訴訟に立ち上がりました。
その後、全国120名を越える弁護士とともに闘い、大阪、福岡、東京、名古屋、仙台の5つの地裁判決を勝ち取りました。原告団は、薬害肝炎被害者の一律救済を求めて、国会や官邸への働きかけを行い、2007年12月の全面救済の総理決断を勝ち取りました。
こうして2008年1月11日、国会で「C型肝炎救済特別措置法」Microsoft PowerPoint - ①C型肝炎救済特別措置法について(概要R6.末) (厚生労働省ホームページ)が成立し、1月15日、原告団と国との間で基本合意が締結されました。フィブリノゲン、クリスマシン、PPSB-ニチヤク等の血液製剤による被害については解決の道筋を立てることができました。私たちは自らの落ち度でC型肝炎に感染したのではないこと、国や製薬企業の落ち度によりC型肝炎に感染したことを証明した訳です。
しかし、当時ウイルス性肝炎患者は350万人とも推計され、その多くは医原性の感染被害とも言われています。
薬害肝炎全国原告団は、肝炎患者団体(日本肝臓病患者団体協議会、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団)とともに全国で活動を展開し、国および地方公共団体に感染原因を問わず肝炎対策を行うことを義務づけた「肝炎対策基本法」が制定されました。この基本法に基づき、現在進行形で肝炎治療体制の整備等について議論が継続しています。
また、原告団は、二度と薬害による被害者を出さないとの願いから、薬害再発防止にも取り組んでいます。平成22年に薬害肝炎検証・検討委員会が作成した最終提言を受け、医薬品行政を監視する第三者組織の創設を求め続けました。その結果、令和元年に成立した改正医薬品医療機器法(薬機法)に基づく「医薬品等行政評価・監視委員会」を設置させました。
国との基本合意締結から17年を迎えました。
この間、薬害肝炎全国原告団は、「全ウイルス性肝炎患者の為の肝炎対策の向上」、「薬害の再発防止」の2点を目標に掲げ、現在も日本全国2600名超の被害者・遺族とともに活動を継続しています。また、支援団体や患者団体と連携しながらの活動も継続しています。
2006年から12年間、代表を務めてきた山口美智子、2018年から6年間、代表を務めてきた浅倉美津子に代わりまして、この度、及川綾子が全国原告団代表として就任することになりました。亡くなった仲間、活動が思うようにできなくなった仲間が少なくない中、志を共にする仲間と共に、今まで以上に残された課題解決に向けて今後とも奮闘していくつもりでおります。
どうぞ今後とも引き続き、皆様のご支援ご指導をよろしくお願いいたします。
2024年7月吉日
薬害肝炎全国原告団代表 及川 綾子